11月18日(日)に熊谷市文化センター文化会館にて開催された俳優依田哲哉さん25周年記念講演『依田だけが知らない世界 vol.1』を観に行ってきました!
依田だけが知らない世界という即興舞台は、FMクマガヤラジオ番組『依田哲哉の即・今日でGO!』の提供である株式会社あなたの幸せが私の幸せ(以下略)の代表である栗原志功さんに『そろそろなにかやらないの?』という言葉から構成作家Rさんの協力のもと、トントン拍子で開催が決まった舞台だったそうです。(舞台内談)
主役の依田哲哉さんには、段取り以外何も知らされておらず、どんなお題が提供されるのか、どんな内容の舞台なのか知らされていない、依田哲哉氏の即興能力を多分に感じれれる舞台となっていました。

第1幕は、Rさんのセリフからスタート。掛け合う依田さん。なにやら辻褄の合わないセリフが続く。それを依田さんはうまくつないでいく。「うるさいよ!」というやり取りが続く中で、Rさんのセリフが『電話』でのやりとりであり、うるさいと言われていたのが電話中に会話を返していた依田さんに対してだったということがわかる。
『うるさいと言われていたのはそういうことだったのか!』と来ていただれもが思ったでしょう。管理人もその一人。
電話での会話が終わった後に、『人』対『動物』の掛け合い。依田さんは何を汲み取ってか途中から『ワン』で身振り手振りしながらセリフを進める。
途中から女性が会話に加わり、実は依田さんがなくなっている世界線に…。
二転三転するストーリー展開にRさんの脚本の面白さを感じるとともに、それを即興で対応する依田さんの凄さを目の当たりにしました。
行った人にしかわからない「野生のポメラニアンの歌」良かったですよね!
出てくる写真を題材に自己紹介をする幕。猫の写真や海外にあるようなパンの朝食の写真など、どんどん出てくる関連性のない写真をもとに幼少期から今までの反省を面白く紹介する依田さん。
なんと折れ線グラフなんかも登場。観客から寄せられたフリーワード「藤田ニコル」との関係性を表した折れ線グラフ。10代〜40代までどんな関係性だったのか、パンとスクランブルエッグの写真から朝食の話をつなげようとしてた依田さんの動揺が隠せないがどう返すのか…
なんと折れ線グラフは、スクランブルエッグにかかっていたケチャップで藤田ニコルくんが依田さんとの関係性を描いた未来予想図だった!という展開。もちろんフィクションなので依田さんご自身の人生そのままを語っているわけではありませんが、客席からは笑いも溢れ、とても面白い展開となりました。
関連ない写真からあれだけのボキャブラリーをひねり出した依田さん、さすがの一言でした。
誰もが感動したであろう第3幕。世界を救うために『家族を守るのか・会場にいる人達を守るのか』という2択を迫るという。このことは依田さんは知らされていません。
そんな始めの提示から、なんと奥様からの感謝の手紙VTRが!依田さんだけでなく、鑑賞しに来た方々への言葉も伝えられていて、依田さんのご家族はとても素敵だなと感じました。
舞台上で「ととがんばれ!」と息子さんからのVTRを観させられたら泣いちゃうよね!
ここでもチケット購入者から募ったフリーワードでのストーリー展開。笑いありながらも刻々と迫る制限時間。最後に依田さんが出した結論は、
「みんな家族になってもらってみんな守る!」

しびれたー!
依田さんかっけー!
あの手紙VTRあとで家族って言っても何ら不思議じゃないあの状況で、第3の選択肢を選んだ依田さん。あの状況下であの答えを出したのにはとても感動しましたし、会場も一挙に沸きました。
脚本のRさんと依田さんで今日の舞台の振り返り。
第1幕では、依田さんは「自分は、始めは猫を演じていたつもりだったが途中からあれなんか違うな」と機転を利かせ犬という解釈に換えていったそう。「あのひとり舞台でそれができることが才能なんだ。俳優依田哲哉なんだ。」そう感じた人は多かったと思います。
第2幕の自己紹介では、全然つながりのない写真でパン朝食の写真から朝食の話をつなげようとして折れ線グラフが出たときにどうしようかと思ったと話されていました。
第3幕での奥様からの手紙は予想しておらず、かなり動揺したのだとか。Rさんも最後の答えは全く予想していなかったので、第3の回答をしたのには驚いたそうです。
舞台を何十年ぶりに鑑賞しました。しかも即興舞台。あっという間の1時間半?2時間?だったことは言うまでもありません。依田哲哉さんの俳優としての能力が遺憾なく発揮されていて、依田さんらしさがすごく伝わる舞台でした。
写真・映像はもちろん撮影・録音禁止だったので文章のみでの紹介で伝わっているかはわかりませんが、とにかく面白かった!
即興でピアノを弾かれていたコニタンさん。感情にすごく響く演奏をその場の雰囲気や映像をもとに作り上げて舞台を彩っていました。
構成作家Rさんは『依田ちゃんを追い詰めたかった』と言っていましたがまさにそのとおりの脚本。第一幕から依田さんが演じるキャラクターがどんな人物なのか動物なのかも途中までわかりにくいストーリーになっていて、観ている観客も何を演じなければいけないのか考えながら楽しめました。
お客さんから募ったフリーワード、独特なワードが多くて…「マイミクシィ」「藤田ニコル」「ハッチポッチステーション」「スーパーマーケットARAI」などなど。誰が考えたのか…
『依田だけが知らない世界』の2回目開催を期待したいですが、単独即興舞台でなくても、普段都内などでやっていらっしゃる即興舞台を熊谷市で開催してほしいなと思いました。
改めて、依田さん25周年おめでとうございます!!
依田さん、Rさんから嬉しいツイートいただきました!